【2018 ミス日本酒 第13回 ナデシコプログラム②】
【2018 ミス日本酒 第13回 ナデシコプログラム②】
みなさま、こんばんは。2018 ミス日本酒 茨城代表 宮内 菜奈子です。続きまして、2018 ミス日本酒 第13回 ナデシコプログラム二部【第12代酒サムライ 森田隼人様】レポートをお送りします。
「いただきます」という言葉は「命をいただきます」という意味。感謝の思いと命の循環が表現された言葉だと私は感じています。命をいただくことに感謝する大切さを今回の森田様のお話で改めて学びました。また、手を合わせ「いただきます」「ごちそうさま」と言葉にする日本文化の尊さ、和の心の美しさを再認識する契機となりました。
いただいた命は私たちの血となり、体の一部となり生き続けます。土や水から育まれた命は、循環、食物連鎖を経て、私たちの体を駆け巡ります。とはいえ、生きている動物・植物の命を私たち人間が終わらせている事実は変わりません。
・命あるものの生死と、私たちの食べるという行為は隣り合わせであること
・命あるものと向き合う屠殺業者や生産者の思いに心を馳せること
・調理をしてくださる方々、飲食店の背景にある物語やこだわりに触れ美味しくいただくことは、命を生かす行為である
学びがたくさんありましたが、様々な人々の立場や心を理解し、胸に焼き付け、命・食材を無駄にしない人でありたいと心に誓うプログラムとなりました。
私は東大大学院で、食糧問題や飢餓問題の一助となる稲の研究をしています。研究では、米一粒一粒を数えたり、実際に稲を育てたり、小さいけれども逞しく育った命と向き合ってきました。この稲から醸される日本酒、稲の生産者、酒造の皆様への尊敬と感謝の想いは人一倍強いと自負しています。日本酒への愛を、命の大切さを伝える大和撫子として、引き続き邁進してまいります。
森田様からは、日本酒への向き合い方についてもお話いただきました。私も日本酒にのめりこみ、日本酒好きな方々と触れ合う中で、日本酒自体の味わいよりも、精米歩合や袋吊りなど、日本酒のスペックから日本酒を判断する人がどれほど多いことかと驚いておりました。
先日、茨城県笠間市の磯蔵酒造様を訪問した際にも、蔵主様が「こだわりを作ってこだわりを売るのではない、dancyuに特集されなくていい、飲み手が真に味わいを楽しんでくれ、飲み手の生活に根差すような酒をつくりたい」とおっしゃっていて、私の抱いていた違和感がすべてとけて流れ去ったかのような感銘を受けました。
森田様も、日本酒の味わいが想像できないような、スペックの話をするのではなく、その日本酒をうんだ風土や作り手の想い、自分の感じた味わいなどを話すという、聞き手の興味をわかせるインビテーションをもったPRのしかたを模索していかなければならないとおっしゃっていました。
実際に、各県代表が地酒を互いにPRしあうという練習をしましたが、それぞれの感性をもって日本酒の味わいが想像できるプレゼンテーションをしたことで、もともと知っていたお酒の新しい側面を知ったり、知らないお酒は飲んでみたくなったり、さらに興味をかきたてられました。
この、今まで軽視されてきたかもしれない、日本酒のスペック以外の部分を、大和撫子らしい、そして各々のバックグラウンドや性格がうむ感性を生かし、PRしていきたいと思います。森田様、ありがとうございました。
2018 ミス日本酒 茨城代表
宮内菜奈子